ブックタイトル平成27年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査 報告書

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概要

平成27年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査 報告書

中学校意欲と自主性を生み出す学習環境事例報告のまとめ全国体力・運動能力、運動習慣等調査では、体育の授業が楽しいと思っている生徒ほど、卒業後に自主的に運動やスポーツをしたいと思っていることが示されている。ここでは、小学生と比較して、より専門性の高い学習に、努力して取り組まなければならない中学生が、体育を楽しいと感じ、運動や学習に意欲的に取り組むようにするための工夫について考える。やる気を引き出す指導を展開する小山市立絹中学校では、「できない」ことには取り組もうとしない生徒の意識を変えるために、「やればできる」と思える運動や「効果が目に見える運動」を取り入れている。体つくり運動の授業で、簡単な動的ストレッチをするだけですぐに関節の可動範囲が広がることを確認した生徒は、運動の効果に興味をもつようになった。また、専門家に、リズムダンスの基礎となるアップとダウンの動きを指導してもらい、基礎となる動きを組み合わせて5分程度のダンスパフォーマンスができるようになった。武道の授業では、有段者が難しい動きを分解して指導することで、運動が苦手な生徒も進んで授業に取り組むことができた。やれば「できる」運動をすることには抵抗感が少ない。できる運動をすることが、専門的なスキルやパフォーマンスにつながるのであれば、それは取り組みたくなる楽しい活動になる。取組のポイント●やる気を引き出す保健体育科の授業を実践する。●意欲的に運動に取り組む環境をつくる。●自主性を尊重し、技能レベルにかかわらず、自主的に取り組む授業を展開する。意欲的に運動ができる環境をつくる佐渡市立佐和田中学校では、本気になって粘り強く運動に取り組む意欲を高めるために、体育の授業の開始前に、自主的に5分間走を行っている。ここでクラスの生徒を引っ張っているのは、各部活動の部員で構成された特設部である陸上・駅伝部の部員である。彼らが本気で5分間走を行っていることに触発されて、ほかの生徒も頑張って走るようになった。廊下に掲示された陸上・駅伝部部員の走り込み表や、各部活動の大会の賞状や写真は、努力の過程と成果がほかの生徒にも伝わるように、工夫して掲示されている。大会の激励会や報告会を頻繁に開催するなど、粘り強い本気の努力がみんなに認められて応援され、誰もが刺激を受けている。自主性を尊重する授業をつくる廿日市市立佐伯中学校は、地域の小学校と合同で授業モデルを作成し、9年間を通して規律正しい学習態度を習得する指導に取り組んできた。生徒は、授業開始前の準備から、話し合い、振り返り、最後の挨拶まpointで、小学生の時から慣れ親しんだ行い方で取り組んでいる。授業には、生徒指導のポイントである共感的人間関係、自己存在感、自己決定にかかわる学習活動を仕組み、生徒の行動を褒める「評価言」を設定することになっている。教員も生徒も、全員がやらなければならないことを意識している。ただし、それをどのようにどこまでやるかは、各自に任されている。そのため、各自が自分にできるやり方で続けることができる。体育の授業では、学習指導要領に示された基本的内容を学んだ後は、グループ学習が中心となる。生徒は、自主性が尊重され、積極的な行動が認められることをよくわかっており、技能レベルにかかわらず、教え合いながら各自の課題に取り組むことができている。誰もが規律をもって取り組むことが当たり前になっている学習環境で、自分にもできると思う活動が示され、活動に取り組む自主性が尊重されていることがわかれば、生徒は楽しんで活動に取り組むものと思われる。その結果が、体力や学力の向上に波及し、生涯スポーツや生涯学習につながるものと考えられる。分析結果と取組事例テーマ1運動やスポーツへの意識の向上/29