ブックタイトル平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書
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平成28年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書
子供の体力や意識の向上において成果が見られた教育委員会の取組子供の体力や意識の向上において成果が見られた教育委員会の取組| 77第2章 分析結果と取組事例テーマ3自分の生活習慣をセルフモニタリングして意識化を図り、鷹野小学校では、夏休み中の生活サイクルを確立するため「早起き学習会」を継続して行っている。 埼玉県新座市教育委員会では、「体力向上推進委員会」を設置しており、その中の健康部会では、児童生徒からのアンケート調査の結果を生かし、偏った食生活や睡眠不足の改善を図るため、朝食メニューの提案や外出中の食事の選び方等の情報提供を行っている。 教育委員会は、総合的な体力の向上を目指しているものの、家庭の意識には差があり、難しい面も多くある。一方で、成果を上げている実践例も多く見られる。よい実践例を、各自治体の現状に応じた施策に変え、今後も分析・検証を継続することを期待したい。● 幼児期の運動に対する肯定感を踏まえ小学校の体育活動を重要視した取組 神奈川県二宮町教育委員会では、平成26 年度の新体力テストの結果において、T 得点が50ポイントを下回る種目がほとんどであった。小学校入学前は「運動遊びが好き」と答える幼児の割合は高いところから、小学校に進んでからも、体を動かすことを苦にせず、楽しみながら運動を行う児童を育てることが課題であった。 そこで、平成27 年度に神奈川県教育委員会による「体力向上キャラバン隊派遣」の実施校募集があり、課題解決に直結すると判断し、参加した。取組内容としては、新体力テストの実施方法や指導のポイントを学んで自校の取組に生かし、新体力テストに向かっての児童、教員の意識を変えていくことであった。また県教委より配布された「運動習慣カード」を活用し、学校と家庭が連携して、体力の向上に取り組むためのきっかけとなった。 幼児期の運動に対する肯定感を小・中学校につなげていくことができれば、運動好き、運動が得意な児童生徒が増え、結果として体力が高まることが予想される。体力・運動能力の向上を目指した幼小連携、小中連携の取組が、今後の課題であるといえる。● 中学校女子の運動意欲や運動時間の増加を重要視した取組 三重県教育委員会では、「子どもの体力向上推進研究協議会」(平成28 年度から「元気アップブロック別協議会」に名称変更)を設置し、教育委員会、学校、市町教育委員会が一体となって体力の向上を目指している。2 年前の協議会において、中学校女子の運動意欲や体力の問題が課題となった。それを契機に、児童生徒の発達段階や性差も含めた体力の向上の取組について様々な施策に取り組んでいる。 県内中学女子の約6 割が運動部活動へ所属し、この割合は全国平均と比べ高い(平成28年度全国調査では、「運動部のみに所属」と回答した割合は52.0%)。運動部活動は女子の体力の向上に向けたアプローチの場として有効であると考え、「部活動マネジメント研修講座」を開催し、技術指導の専門性を高めるのみでなく、スポーツが心に及ぼす影響やスポーツを通しての仲間づくりについて専門家より継続して指導を受けている。 中学校女子の運動意欲の喚起や総運動時間の増大は、喫緊の課題として受け止めることが重要である。児童生徒の体力向上施策を計画する上で、中学校女子に目を向けた施策を確立し、取り組んでいくことが大切である。● オリンピック・パラリンピック教育を重要視した取組 福岡県北九州市教育委員会では、オリンピック・パラリンピック教育を通して、児童生徒の運動への関心・意欲を高めることを目的として、2 年前より取り組んでいる。モデル校の西小倉小学校では、パラリンピアンを招聘し、ゴールボールやパラ・パワーリフティングを、思永中学校では、フィールドホッケーのオリンピアンを招聘し、中学生でも取り組みやすいユニホックを体験している。 児童生徒は、選手から出場した時の思いや選手を周りで支えている人々への感謝の気持ちを聞き、共感するとともに、その種目に対する興味をもった。その後、その種目を体験することで、より一層、関心を高め、新たな発見と運動に対する意欲を高めていく。自分の知らない、経験したことのないことにチャレンジすることで、思考の広がりや新たな意欲を喚起することにつながっていく。 教育委員会が関係機関と連携して、児童生徒、教員、保護者に対して、スポーツ文化の広がりとスポーツの価値を伝えていくこと、この積み重ねが結果として体力の向上に結び付いていくことを期待したい。 各教育委員会においては、児童生徒の実態を十分に把握し、データの裏付けがある取組を実施していくことが重要である。そのためには、学校との連携をより密接なものとし、現場の教員とともに施策を遂行する姿勢が何より大切である。事例報告のまとめ